よみもの蔵

【連載2】社蔵と吟醸工房 二つの蔵がある理由

関谷醸造には、本社蔵と吟醸工房という二つの蔵があります。同じ会社の蔵でありながら、その役割ははっきりと異なります。この二つが並び立っていることこそ、関谷醸造の酒づくりの大きな強みです。




本社蔵のテーマは、「安定感」と「再現性」。設備を活用しながら気温や品温を細かく管理し、毎年変わる原料や気候にも柔軟に対応しつつ、同じ銘柄を同じ品質で届けることを大切にしています。機械化が進んでいると聞くと、手仕事から離れているように感じるかもしれませんが、実際はその逆です。基本となる手づくりの考え方があるからこそ、設備を使っても酒質のブレを抑えられるのです。


一方の吟醸工房は、「少量多品種」と「挑戦」の蔵です。オーダーメイド酒や新しい取り組みに向き合いながら、蔵人が経験を積む場でもあります。年間を通して多くの仕込みを経験することで、五感を鍛え、酒づくりの基礎基本を身体で覚えていく。吟醸工房は、単なる第二の蔵ではなく、人を育てる場所でもあるのです。

本社蔵が“安定して届ける蔵”だとすれば、吟醸工房は“挑戦して伸びる蔵”。守る力と攻める力の両方を持っているからこそ、関谷醸造は伝統を守りながら、新しい酒づくりにも踏み出せます。二つの蔵の違いを知ると、一本のお酒の背景がぐっと立体的に見えてきます。


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